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【賃貸住宅管理④】財産の分別管理とは?

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賃貸住宅管理業法 第16条【分別管理】

賃貸住宅管理業法第16条では、賃貸住宅管理業者は、その管理業務において受領する家賃・敷金・共益費その他金銭を、整然と管理する方法により、自己の固有財産および他の管理業務において受領する家賃・敷金・共益費その他の金銭と分別して管理しなければならないと定めています。

賃貸住宅管理業法 第16条【分別管理】

賃貸住宅管理業者は、管理受託契約に基づく管理業務(第二条第二項第二号に掲げるものに限る。以下この条において同じ。)において受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭を、整然と管理する方法として国土交通省令で定める方法により、自己の固有財産及び他の管理受託契約に基づく管理業務において受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭と分別して管理しなければならない。

※賃貸住宅管理業者の登録申請時には、業務の状況に関する書面(別記様式4号)にて財産の分別状況を記載する必要があります。

財産の分別管理規程は、賃貸住宅管理業者が入居者から徴収した家賃等の金銭を自らの事業に流用するなどして、本来オーナーに支払われるべき金銭が支払われないという様な事故を防ぐことが目的です。

そのため、上記のようなトラブルを防ぐために、①管理受託契約に基づく管理業務において受領する金銭を厳格に分別管理すること、②管理受託契約に基づく管理業務において受領する金銭が、自己の固有財産であるか、管理受託契約に係るものであるかが帳簿等によって直ちに判別できる状態で管理する必要があります。

分別管理に必要な要件

前述の財産分別管理の要件をまとめると以下の1.2になります。(1.2のどちらの要件についても満たすことが必要です。)

  1. 口座分別の方法により、管理業務において受領する家賃敷金等の金銭を管理するための口座を自己の固有財産を管理するための口座を分別して管理する
  2. 受領した金銭がいずれの管理受託契約に基づく管理業務に係るものであるかが、帳簿や会計ソフト等で直ちに判別できる状態で管理する

上記の要件を簡単に図解すると以下の通りになります。

口座分別による管理

入居者から徴収した家賃・敷金等と、自己の固有財産を分別して管理すればよく、契約者ごとに口座を設けることまでは求められていません。

図でいうと、黒枠と赤枠とで分別できていればよく、BとCで口座を分けずに同じ口座に振り込まれていても帳簿等によって管理できていれば問題ありません。

帳簿による管理

契約者ごとに口座を設けることまでは求められていませんが、分別管理を行う口座に複数契約者の金銭が入金されることになるため、帳簿・会計ソフト等によってどの契約による金銭を受領しているのか直ちに判別できる状態で管理しておかなくてはなりません。

また、賃貸住宅管理業法第18条では、帳簿の備え付けを義務付けています。

賃貸住宅管理業法 第18条【帳簿の備え付け等】

賃貸住宅管理業者は、国土交通省令で定めるところにより、その営業所又は事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え付け、委託者ごとに管理受託契約について契約年月日その他の国土交通省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

帳簿に記載すべき項目

賃貸住宅管理業者が、その業務に関する帳簿に記載しなければならない事項は以下の通りです。(規則第38条第1項)

  • 管理受託契約を締結した委託者の商号、名称又は氏名
  • 管理受託契約を締結した年月日
  • 契約の対象となる賃貸住宅
  • 受託した管理業務の内容
  • 報酬の額
  • 管理受託契約における特約その他参考となる事項

上記の事項が電磁的に記録されているときは、当該記録をもって帳簿への記載に代えることができます。(同条第2項、第3項)

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