賃貸住宅管理業(記事一覧)

【賃貸住宅管理①】賃貸住宅管理業登録の概要

賃貸住宅管理業

【賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律】が2021年6月15日より施行されることに伴い、賃貸住宅管理業の登録が同日付で開始されました。

※自己所有物件の管理を除き、賃貸住宅管理戸数200戸以上の賃貸住宅管理業者は登録が義務付けられています。

※管理戸数200戸未満の業者でも登録は可能です。(登録は任意ですが法律の規制の対象となります。)

賃貸住宅管理業とは?

賃貸住宅管理業法第2条において、「賃貸住宅管理業」とは、賃貸住宅の賃貸人から委託を受けて、以下の「管理業務」を行う事業とされています。

  1. 賃貸住宅の維持保全業務(点検、清掃、必要な修繕、その他維持を行うこと)
  2. 賃貸住宅に係る家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理を行う業務

賃貸住宅の維持保全業務とは?

賃貸住宅の維持保全業務とは、居室とその使用に密接な関係にある住宅のその他の部分(玄関・通路・階段等の共用部分、居室内外の電気・水道設備、エレベーター等の設備等について、点検・清掃等の維持を行い、これら点検等の結果を踏まえた必要な修繕を一貫して行うことをいいます。

例えば、以下のケースでは「賃貸住宅の維持保全を行う業務」には該当しません。

  • 定期清掃業者、警備業者、リフォーム工事業者等が、維持または修繕の「いずれか一方のみ」を行う場合。
  • エレベーターの保守点検・修繕を行う事業者等が、賃貸住宅の「一部分のみ」について維持から修繕までを一貫して行う場合。
  • 入居者からの苦情対応のみを行い維持および修繕を行っていない場合。

賃貸住宅に係る金銭管理業務とは?

賃貸住宅管理業者が賃借人から受領した家賃、敷金、共益費等の金銭管理を指します。

金銭管理業務については、賃貸住宅のオーナーから委託を受けて、当該委託に係る賃貸住宅の維持保全を行うことと併せて行うものに限り、賃貸住宅管理業に該当します。

賃貸住宅とは?

賃貸借契約を締結し賃借することを目的とした、人の居住の用に供する家屋又は家屋の部分を指します。

「住宅」は、その利用形態として「人の居住の用に供する」ことを要件としていることから、事業用のオフィスや倉庫等は「住宅」に該当しません。

賃貸住宅管理業者の業務における義務

賃貸住宅管理業登録制度は、賃貸住宅における良好な居住環境の確保を図るとともに、不良業者を排除し、業界の健全な発展・育成を図るため、創設されました。

前述の目的達成のため、賃貸住宅管理業の登録と、賃貸住宅管理業者の業務における義務について以下の通り定められています。

賃貸住宅管理業の登録義務

管理戸数200戸以上賃貸住宅管理業者は、国土交通大臣の登録を受けなければならないものとされています。

また、今後多くの賃貸住宅管理業者が登録することを考慮すると、管理戸数が200戸を超えない小規模な賃貸住宅管理業者でも、社会的信用力を確保するにあたって登録を受けることが望ましいとされています。

※登録を受けた場合は、管理戸数が200戸を超えない賃貸住宅管理業者についても、賃貸受託管理業に関する規制の対象となり、監督処分や罰則の対象にもなることに留意する必要があります。

管理戸数の考え方

管理戸数については、入居者との間で締結されることが想定される賃貸借契約の数をベースとして数えます。

例えば、建物を1棟管理しているケースにおいて、その建物が右図のように6部屋で構成されているとします。

そのうち4部屋を入居者が使用し、残り2部屋が空室となっている場合でも、管理戸数は6戸と数えます。

管理戸数の考え方

管理戸数が一時的にでも200戸を超える見込みがある場合にも、登録を受けることが適当です。

賃貸住宅管理業者の業務における義務

  1. 業務管理者の配置
    • 営業所(事務所)ごとに、賃貸住宅管理の知識・経験を有する者を配置
  2. 管理受託契約締結前の重要事項の説明
    • 具体的な管理業務の内容・実施方法について書面を交付して説明
  3. 財産の分別管理
    • 管理する家賃等について、自己固有の財産等と分別して管理
  4. 定期報告
    • 業務実施状況等について、管理受託契約の相手方に対し定期的に報告

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