M&Aとは「Mergers and Acquisitions」の略で、文字通り「企業の合併・買収」を意味します。以前は敵対的買収のイメージがありましたが、近年では企業の成長戦略の一つとしての意味合いが強くなっていたり、後継者不足の解決策としてM&Aを選択するケースも増えています。
M&Aとは親族や従業員に後継者がいない場合、事業の存続を考えるのであれば、M&Aによる第三者への引継ぎを検討する必要があります。また、予定する後継者が若い場合など、一時的な経営者を招聘することも選択肢となります。
これまでの経営基盤を損なうことなく事業を継続・発展させるためには、事業承継で引き継ぐべき要素をしっかりと整理して、長期的かつ計画的に事業承継を進めていくことが重要になります。
M&Aによる譲渡先選定のポイント
相乗効果のある譲渡先の選定
自社事業と相乗効果がある譲渡先を選定することで、技術・営業・販路等を補うことができ、譲渡先との企業融和や業績向上につながります。
雇用・組織体制の維持
従業員の雇用を守ることは経営者の務めです。また、技術部門や営業部門のみならず、現状の組織体制を維持してもらえるような売却先が望ましいです。
情報漏洩対策
交渉中に情報が漏れてしまうと、不信感を抱いた従業員が退社したり、ライバル企業との競争で不利益を被る恐れもあります。社内の情報管理を徹底するとともに、秘密保持契約を締結することで情報漏洩を防ぐ必要があります。
一時的な経営者の選定
後継者がまだ若く経営経験が足りない場合には、後継者教育を行う一時的な経営者をおくことも選択肢の一つとなります。一時的な経営者に、自社の強み・弱みを含めた経営理念や組織体制をよく理解している人物を選定することで、後の経営が安定します。
M&Aの経営的メリット
事業承継先の選択肢が多い
精緻な事業DD(デューデリジェンス)を実施することで、自社の強み・弱みを改めて洗い出すことになり、経営改善が図られることで、多くの買い手を見つけることができるようになります。
大胆な経営改革の実施ができる
社内の既成概念や慣習にとらわれず、第三者視点からの大胆な経営改革を実施することができます。
M&Aの資産的メリット
売却収益を得ることができる
自社の企業価値を高め、譲渡先との友好的M&Aが成立した場合、売却利益は現経営者の収入になります。
資本と経営を分離することで、現経営者が引き続き経営に専念することが可能になる場合もあります。
M&Aの留意点
買取価格や、従業員の雇用確保など、希望の条件を満たす買い手を見つけるのが困難な場合があります。自社の磨き上げによって企業価値を高め、買い手にとって魅力的な企業となるための努力は必ず必要です。
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