建設業許可(記事一覧)

【建設②】建設業許可の要件

建設業許可取得のための要件

建設業の許可を受けるためには、以下の要件を満たし、かつ、欠格要件に該当しないことが必要です。

  • 誠実性があること
  • 財産的基礎または金銭的信用があること
  • 経営業務の管理を適正に行うに足りる能力があること
  • 専任の技術者がいること
  • 営業所の使用権原があり、独立性が確保されていること

それぞれの要件については、ページ下部にて詳しく解説します。

行政書士Office Showでは、建設業許可申請を徹底支援いたします。お気軽にご相談ください。

誠実性があること

請負契約の締結やその履行に際して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかである場合は、建設業を営むことができません。これは、許可の対象となる法人若しくは個人についてはもちろんのこと、建設業の営業取引において重要な地位にある役員等についても同様にです。

財産的基礎または金銭的信用があること

建設工事を着手するに当たっては、資材の購入、労働者の確保、機械器具等の購入など、一定の準備資金が必要になります。当然、営業活動を行うにもある程度の資金を確保していることが必要です。そのため、建設業の許可が必要となる規模の工事を請け負うことができるだけの財産的基礎等を有していることを許可の要件としています。

一般建設業許可の場合特定建設業許可の場合
次のいずれかに該当すること。次のすべてに該当すること。
自己資本が500万円以上あること欠損の額が資本金の20%を超えていないこと
500万円以上の資金調達能力を有すること流動比率が75%以上であること
許可申請直前の過去5年間に建設業許可を受けて継続して営業した実績を有すること資本金の額が2000万円以上であり、かつ自己資本の額が4000万円以上であること

経営業務の管理を適正に行うに足りる能力があること

建設業の経営は他の産業の経営とは著しく異なった特徴を有するため、適正な建設業の経営を期待するためには、建設業の経営業務について一定期間の経験を有した者が最低でも1人は必要であると判断され、定められた要件です。

建設業許可を受けようとする者が、主たる営業所に「経営業務の管理責任者」を置くこと、または建設業に関する「経営体制(常勤役員等及びこれを直接に補佐する者)」を備えることが求められます。

経営業務の管理体制については、建設業法施行規則第7条第1号に規定されています。

建設業法施行規則第7条第1号「イ」

常勤役員等のうち一人が次のいずれかに該当する者であること

(1)建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者

(2)建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る。)として経営業務を管理した経験を有する者

(3)建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者((2)ではない者)として経営業務の管理責任者を補助する業務に従事した経験を有する者

建設業法施行規則第7条第1号「ロ」

常勤役員等のうち一人が次のいずれかに該当する者であつて、かつ、財務管理の業務経験を有する者、労務管理の業務経験を有する者及び業務運営の業務経験を有する者を当該常勤役員等を直接に補佐する者としてそれぞれ置くものであること。

(1)建設業に関し、二年以上役員等としての経験を有し、かつ、五年以上役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位にある者(財務管理、労務管理又は業務運営の業務を担当するものに限る。)としての経験を有する者

(2)五年以上役員等としての経験を有し、かつ、建設業に関し、二年以上役員等としての経験を有する者

建設業法施行規則第7条第1号「ハ」

国土交通大臣がイ又はロに掲げるものと同等以上の経営体制を有すると認定したもの。

経営業務の管理を適正に行うに足る能力については、建設②-1】経営業務の管理体制についてのページでさらに詳しく解説しています。

専任の技術者がいること

建設工事に関する請負契約の適正な締結、履行を確保するためには、許可を受けようとする建設業の工事について専門的知識が必要になります。見積、入札、請負契約締結等の建設業に関する営業は各営業所で行われることから、営業所ごとに許可を受けようとする建設業に関して、一定の資格または経験を有した者(専任技術者)を設置することが必要です。この専任技術者は、許可を受けようとする建設業が一般建設業であるか特定建設業であるか、また建設業の種類により、それぞれ必要な資格等が異なります。 また、専任技術者は「営業所ごとに専任の者を設置」することとされているため、その営業所に常勤していることが必要です。

経営業務の管理責任者と同様、専任技術者の設置も許可要件の1つであるため、許可を取得した後に専任技術者が不在となった場合は許可の取消しの対象等になるので、注意することが必要です。

専任技術者の要件

一般建設業の専任技術者特定建設業許可の場合
国家資格等を取得している1級の国家資格等の資格をもっている
10年以上の実務経験がある一般建設業の専任技術者としての要件を満たすもので、2年以上の指導監督的実務経験がある。
指定学科を卒業し、かつ一定の実務経験がある指定建設業7業種に関して、過去に特別認定講習を受け、当該講習の効果評定に合格した者若しくは国土交通大臣が定める考査に合格した者

指定学科(建設業に関する学科)を卒業した場合、実務経験の証明期間を短縮することができます。

高等学校全日制、定時制、通信制、専攻科、別科実務経験5年
中等教育学校中高一貫教育の学校実務経験5年
大学・短大学部、専攻科、別科実務経験3年
高等専門学校学科、専攻科実務経験3年
専修学校専門課程、学科実務経験5年
専門士、高度専門士は3年

営業所の要件

  • 建設工事の請負契約締結等の実態的業務を行っていること。
  • 契約締結等が行えるスペースを有し、かつ、居住部分、他法人または個人事業主とは間仕切りなどで明確に区分され、独立性が保たれている。
  • 営業用事務所として使用権原を有している。(自己所有または賃貸借契約等を結んでいる)※住居専用は原則認められない。
  • 経営業務の管理責任者・専任技術者が常勤していること。
  • 看板・標識等で外部から建設業の営業所であることが分かるように表示してあること。
  • 電話、机、各種事務台帳等を備えていること。

以上の通り、建設業許可を取得するためには満たさなくてはならない要件が複数あり、お客様の置かれている状況によって要件の満たし方も異なります。ご不明点等はお気軽にご相談ください。

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