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【相続④】戸籍の集め方

被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍相続人の現在戸籍等を取得した後は、法定相続情報証明制度を利用することで相続手続きがスムーズに進められる場合が多くあることは【相続③】法定相続情報証明制度で説明した通りです。

また、戸籍は単に各種名義変更などの相続手続きに必要な添付書類としてだけではなく、相続人を確定するという重要な役割があります。

例えば、遺産分割協議による相続では、他に法的不備がなくても相続人が漏れていれば、作成された遺産分割協議書は無効となります。

つまり、相続手続きにおける一番の基本は戸籍の収集による相続人の確定にあるといえます。

行政書士Office Showでは、戸籍の取得でお困りのお客様に代わって、相続手続きに必要な戸籍の取得や、法定相続情報一覧図の交付申請代行など、相続手続きを徹底支援いたします。

そもそも戸籍とは…

戸籍とは、日本国民ひとりひとりの親族的身分関係を登録・証明するものです。

日本国民に限定されるため、帰化しない限りは日本に居住していても、外国人が戸籍に記載されることはありません。

戸籍に登録される身分関係は主に以下のようなものがあります。

  • 出生・死亡に関する事項
  • 親子関係
  • 養親子関係
  • 夫婦関係(婚姻・離婚)
  • 親権者、後見人等に関する事項

また、戸籍によって証明される事項は主に以下のようなものがあります。

  • 日本国籍の証明
  • 親子・夫婦・兄弟姉妹という関係の証明
  • 相続・扶養・親権等の権利義務関係の有無の証明
  • 成年・未成年が明らかになることによる、行為能力等の有無の証明

戸籍の編製

現行戸籍法(昭和23年~)での戸籍は、原則として一組の夫婦とその夫婦と苗字を同じくする子について作られます。

苗字を同じくする子とは実子だけではなく養子も含まれます。また、苗字を同じくする子が親の戸籍に同籍するのは未婚の間であって、婚姻により親の戸籍から除かれ新たな夫婦の戸籍が編製されます。

旧戸籍法(明治31年~昭和22年)での戸籍は「家」制度を基礎としていたため戸主の配偶者や子だけではなく、戸主の父母、兄弟姉妹やその配偶者と子のように複数の夫婦と子を含む大家族で戸籍が編製されていました。

戸籍の編製原因は大まかに以下のようになります。

旧法戸籍家督相続、分家、一家の創立、廃家・絶家の再興、他市町村からの転籍、戸籍の改製
現行戸籍婚姻・離婚等、養子縁組等、分籍、他市区町村からの転籍、戸籍の改製

※他市区町村からの転籍および戸籍の改製による編製では、従前戸籍と同一内容の戸籍が作成されるにすぎません。

戸籍の種類

戸籍には以下の種類があります。被相続人の出生から死亡までの戸籍を集めるためにはこれらを理解したうえで戸籍の請求を行う必要があります。

  • 現在戸籍
  • 除籍
  • 改製原戸籍

現在戸籍とは

現に在籍している者がおり、使用されている戸籍を現在戸籍といいます。

本籍として届け出た市区町村で取得することができます。

除籍とは

婚姻や養子縁組、死亡などによって戸籍から除かれることも除籍といいますが、戸籍の種類としての除籍は、婚姻や養子縁組、死亡などによって最終的に在籍者がいなくなった戸籍のことを指します。

改製原戸籍とは

戸籍の様式が法律または命令によって改められた場合、従前の様式で編製された戸籍を新様式の戸籍に改めるため編製替え(作り直し)が行われます。これを戸籍の改製といいます。

この改正により編製替えされた従前の戸籍を改製原戸籍(かいせいげんこせき・かいせいはらこせき)といいます。

戸籍の請求方法

本籍地や従前の本籍地を管轄する市区町村役場が近ければ直接窓口に出向くのが確実でしょう。しかし、婚姻や転籍によって本籍地が遠方の方や、業務時間内に窓口に行くことができない人のために、ほとんどの自治体で郵送による請求が可能です。ホームページや電話等で確認するといいでしょう。

出生から死亡までの戸籍をどのように請求していくのかと言うと、一番新しい戸籍(=被相続人の死亡の事実が記載されている戸籍)から古い戸籍へ順番に遡って取得していくことになります。

  1. 死亡の事実が記載された戸籍を取得する(本籍地に請求)
  2. 取得した1の戸籍事項欄を見て戸籍の編製日または改正日を確認する。
  3. 一つ前の戸籍を取り寄せ2の日付と削除日または除籍日が一致するかを確認する。
  4. さらに一つ前の戸籍を取り寄せ2、3の作業を繰り返し、被相続人が出生した時点で有効だった戸籍まで取得する。

戸籍の編製日を確認するには戸籍事項欄を確認します。

  • 法律や命令によって戸籍の様式が改められた場合=「改製」と記載。
  • 婚姻・離婚・養子縁組等の身分の変更があった場合=「編製」と記載
  • 他の市区町村から本籍を移した場合=「転籍」と記載

平成6式戸籍と昭和23年式戸籍の戸籍事項欄は下図の通りですが、昭和23年式より旧式の戸籍では、戸籍事項欄と身分事項欄が分かれておりませんので注意が必要です。

行政書士Office Showの想い

相続開始から限られた期間内で行わなければならない必要な手続きがあり、相続人の確定は正確にすばやく行う必要があります。 不慣れな手続きに時間を割くよりも、故人を偲び、ゆっくりとお別れをする時間を過ごしていただきたい。そんな想いで行政書士Office Showは相続手続きを徹底支援いたします。

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